まるで眠れる獅子だったかのように、熊本県にTSMCという巨大企業が進出してから約2年。その影響は、地価高騰という形で目に見える形で表れ、県全体に活気を与えています。まさに「TSMC効果」と呼ぶにふさわしい、希望に満ちた変化が訪れているのです。
動画でサクッとの方は：TSMC進出で熊本県に奇跡の風が吹く！地価上昇だけじゃない！街全体が生まれ変わる！
以前に記事でも書きましたが、いま日本の不動産は海外から熱視線を受けています。その中でも熊本は優等生です。
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熊本県版ゴールドラッシュ！地価上昇は街の進化の証
TSMCは地元地価を押し上げる
2024年の地価調査の結果は、熊本県の未来を明るく照らす希望の光となりました。TSMC工場に隣接する大津町の商業地は、前年比でなんと33.3%も上昇！これは全国トップの驚異的な伸び率です。まさに「TSMCバブル」と呼ぶにふさわしい状況ですが、これは決してバブルではなく、熊本県に訪れた大きなチャンスの証なのです。
なぜなら、この地価上昇は、TSMC工場の建設による土地需要の増加だけでなく、そこで働く人々や関連企業の進出、街の活性化など、様々なプラス要素が複合的に作用している結果だからです。熊本県は今、眠っていたポテンシャルを最大限に引き出し、新たなステージへと進化しようとしています。
地価上昇は県内全体に広がる
具体的な数字を見てみると、その変化の大きさに驚かされます。
- 大津町室の商業地： 33.3%上昇（9万円/㎡→12万円/㎡）
- 大津町大津の商業地： 33.3%上昇
- 大津町室の工業地： 33.3%上昇
- 菊陽町津久礼の住宅地： 14.2%上昇
これらの地域では、TSMC工場で働く人々や関連企業の従業員のための住宅や商業施設の需要が急増し、街は活気に満ち溢れています。
さらに嬉しいのは、この勢いは、菊陽町や大津町周辺地域にも波及していることです。大津町全体の平均地価上昇率は19.4%と、全国の市区町村でトップに輝きました。菊陽町も16.9%、合志市は8.8%、御船町も5.6%と、上昇率は軒並み高水準をマークしています。
TSMCがもたらした奇跡！未来への投資が今、花開く
TSMC進出は、地価上昇という経済効果だけでなく、熊本県民の心に希望の灯をともしました。
- 約20兆770億円！: TSMC進出による経済効果は、今後10年間でこれだけの規模になると試算されています。まさに熊本県にとっての「夢」が実現しようとしているのです。
- 1700人以上の新規雇用！: TSMC工場は、地域に雇用を創出し、人々の生活を支える基盤となっています。さらに、関連企業の進出により、その数は数千人規模に達すると見込まれています。
- 活気づく街、笑顔溢れる人々: これまで工場地帯のイメージが強かった菊陽町周辺は、商業施設やマンションが立ち並び、活気に満ちた街へと変貌を遂げています。
子供のグローバル化にも
台湾の半導体大手TSMCの熊本工場進出は、経済効果だけでなく、子どもたちの教育にも大きな変化をもたらしています。日経新聞の記事「『世界標準型』がやってきた TSMC熊本上陸の衝撃」では、その変化を「黒船来航」と表現し、注目を集めました。
特に注目すべきは、TSMC工場で働くことになる子どもたちの「英語教育」です。記事によると、TSMCの採用活動や社内コミュニケーションでは英語が広く使われており、地元の大学を卒業してTSMCに就職した若者の中には、入社試験から入社後まで、一貫して英語のみで対応するケースもあったそうです。
この状況を受け、熊本では子どもたちの英語教育の重要性に対する認識が高まっており、様々な動きが出ています。
- インターナショナルスクールの設立: TSMC駐在員の子供向けに、英語で授業を行うインターナショナルスクールが開校。日本人の子どもも受け入れており、国際的な教育環境が整いつつあります。
- 海外塾の進出: 香港の学習塾が熊本に進出。3歳から12歳を対象に、英語やプログラミングなどを学ぶことができます。
- 大学における国際交流: 熊本県内の大学では、台湾の大学との学生交流プログラムなどが始まっており、グローバルな人材育成に力を入れています。
TSMC進出は、熊本の子どもたちに「英語は必須」という現実を突きつけると同時に、世界で活躍できる人材へと成長するチャンスを与えています。今後も、企業と地域社会が連携し、子どもたちの未来を拓く教育環境を整備していくことが期待されます。
関連記事：英語は国内の若者に必須に？TSMC熊本工場の衝撃←日経新聞（加筆）
富山も学ぼう
TSMC工場進出で沸騰する熊本県。10年間で20兆円超えともいわれる経済効果は、停滞する日本経済にとって希望の光です。そして、この成功は、富山県にとっても大きなヒントを与えてくれます。
なぜなら、「外資だから」と拒むのではなく、海外からの投資を積極的に受け入れることが、地方の活性化、ひいては日本経済全体の成長に繋がるからです。
では、富山県がTSMCのようなグローバル企業を誘致するために何ができるのでしょうか？
注目すべきは、熊本県がTSMCを誘致できた理由の一つに、安価で安定的な電力供給体制があったことです。
半導体製造には、大量の水と電力が欠かせません。富山県は、豊富な水資源と、それを活かした水力発電という強みを持っています。つまり、安価で安定的な電力供給が可能という点において、半導体工場誘致に最適な条件を備えていると言えるのです。
さらに、近年叫ばれている経済安全保障の観点からも、半導体工場の国内分散は重要な課題です。富山県は、地理的に災害リスクが低く、安定した供給体制を構築しやすいという点でも優位性を持ちます。
熊本県の成功は、決して「奇跡」ではありません。富山県も、豊富な水資源と安定供給を強みに、積極的に企業誘致を進めることで、未来を大きく切り開くことができるはずです。
